L1ブロックチェーン「Sunrise」を開発するCauchye Asia PTE. LTD. (代表者: 木村優)は、2024年11月9日(金)、Sunrise Testnet v2を公開した。
レイヤー1ブロックチェーン「Sunrise」を開発するCauchye Asia PTE. LTD.は、2024年11月9日(金)、次世代プラットフォームの最終テストネット「Sunrise Testnet v2」を発表した。
本バージョンでは、データ可用性レイヤーを完全に刷新し、ユーザー体験を大幅に向上させている。また同時に、ゲーミフィケーションを取り入れた新しいキャンペーンサイトと、公式マスコット「HARU」を公開した。
公式PV:
Sunrise DAについて
Sunrise DAは、Proof of LiquidityとオフチェーンBlobに対応した世界唯一のData Availability Layer(DA Layer: データ可用性レイヤー)。
モジュラーブロックチェーンのスケーラビリティとアクセシビリティを飛躍的に向上させる次世代インフラとして注目を集めている。
2024年7月の初回テストネット公開後、わずか3週間で10万人、6週間で20万アクティブユーザーを突破するなど、日本発のプロジェクトながらグローバルな成長を遂げている。
また、Sunrise DAを活用した独自チェーン構築・運用を支援するサービスを提供している。
Sunrise Testnet v2について
今回のアップデートでは、テストネット環境とBlobモジュールを全面的に刷新し、以下の特徴を実現した。
1. 技術面の強化
- 独自のProof of LiquidityシステムとFee Abstractionメカニズムの実装
- データ可用性レイヤーの効率性と経済性の両立
- 高機能なブロックチェーンエクスプローラーの統合
2. ユーザー体験の向上
- 直感的に操作可能な新しいダッシュボード
- vRISEトークンシステムとGauge Votingによる高度なガバナンス機能
- 多様なインセンティブと報酬システムの導入
Sunrise v2テストネットキャンペーンの開始
約30万人が参加したSunrise v1テストネットキャンペーンの成功を受け、新たなキャンペーンプログラムを開始する。特別に開発されたポータルサイトでは、Sunriseの仕組みや世界観をゲーム感覚で体験し、学ぶことができる。また、キャンペーン参加者はトークンエアドロップの対象となる。
- ポイントプログラムによる報酬獲得
- カジノゲームなどのミニゲーム
- キャラクターカスタマイズ機能
公式マスコット「HARU」について
北海道の野鳥シマエナガをモチーフにした愛らしい「HARU」は、Sunriseエコシステムの案内役として登場する。日本の著名なNFTクリエイターである城島ジョージ先生をチームに招き、Dev/Bizチーム一丸となって作成した、Sunrise初の公式IPとなる。
新キャンペーンプログラムでは、HARUを通して、ユーザーは下記のような特典を享受できる。
- Haru Yenを獲得してアイテムを購入
- HARUの着せ替えでカスタマイズ
- 将来的にNFTとしてミント可能
Sunrise v2キャンペーンの参加方法
詳しい参加方法は、Medium(グローバル版/日本語版)の公式記事を。
「モジュラーブロックチェーン」パラダイムとは
EthereumやBTCのような従来のブロックチェーンは、そのチェーン単体で完結するモノリシック・アーキテクチャを採用しており、「モノリシックブロックチェーン」と呼称する。
一方、新たに注目されているアーキテクチャが「モジュラーブロックチェーン」。
モジュラーブロックチェーンとは、チェーンをいくつかのレイヤーに分解し、それぞれをモジュールのように組み合わせて一つのチェーンを構築するアーキテクチャ。
モジュラーブロックチェーンでは、それぞれの機能ごとに最適なレイヤーを組み合わせることができるため、モノリシックブロックチェーンに比べて100倍以上とも言われる高いスケーラビリティを実現する。また、企業の要件ごとにチェーンの柔軟なカスタマイズが可能。
モジュラーチェーンではブロックチェーンを4つのレイヤーに分類する:
- Execution Layer (執行層)
トランザクションを実行するレイヤー
- Settlement Layer (調停層。あるいは決済層)
トランザクションの実行結果を一意に決定し、ブリッジの整合性の監督も行うレイヤー
- Consensus Layer (合意形成層)
どのトランザクションがどの順番で受理されたかを一意に決定するレイヤー
- Data Availability Layer (データ可用性層)
トランザクションデータを保存するレイヤー
SunriseはDA Layerとして機能する。
また、SunriseをDA Layerとした独自チェーン構築に対してもサポートを提供している。
OPStackやCosmosSDKなど、複数のチェーンフレームワークに対応している。
また、Sunriseはモジュラーチェーンやインターオペラビリティの普及に向けた、企業・教育機関向けのWeb3教育活動への貢献に取り組んでいる。
Sunrise DAを通して実現すること
SunriseをDA Layerとして使用して独自チェーンを構築することで、例えば以下が可能になる。
- L1チェーン(Ethereumなど)のスマートコントラクトに組み込まれるL2チェーンのデータ保存先として使用されることで、L2チェーンのガス代を大幅に低減する
- ガス代がもともと安価なL1チェーン(Oasysなど)の場合、L2チェーンのデータ保存先として使用されることで、L1がキャパオーバーする問題を防ぎ、同時に搭載できるL2チェーンの数を増やす
- L2チェーン(Optimism、Arbitrum、Astar zkEVMなど)のスマートコントラクトに組み込まれるL3チェーンのデータ保存先として使用されることで、L3チェーンのガス代を大幅に低減する
- どこのL1チェーンのスマートコントラクトにも組み込まれないが、セキュリティの強さ(改ざん耐性、障害耐性)は継承する仕組み「Sovereign rollup」でL2チェーンを構築する
また、DA機能を提供するブロックチェーンはCelesitaやAvail, Mantleなど複数存在するが、Sunriseは「Proof of Liquidity」と「オフチェーンBlob」を備えた世界で唯一のDA Layer。
Proof of Liquidityによってビジネスモデル上の優位性を、オフチェーンBlobによって技術的な優位性をそれぞれ確立している。
Sunriseの主な特徴
下記3つの特徴について紹介。
- Proof of Liquidity
- オフチェーンBlobによるデータ可用性証明機構
- IBC(Inter-Blockchain Communication)のネイティブサポート
1. Proof of Liquidity
Sunriseはコンセンサスメカニズムとして「Proof of Liquidity」(PoL)を採用している。
現在最も主流なコンセンサスメカニズムはEthereumなどで採用されている「Proof of Stake」(PoS)だが、Proof of LiquidityはPoSに替わる新しい概念。
PoSの主な欠点は、「それ自体が直接的な経済活動をもたらさない」こと。
トークンをロックして報酬を得るだけなので、バリデータ個々の視点では経済的合理性があるが、エコシステム全体としての経済効果は限定的。
一方、PoLでは、実質的な経済活動(=Sunrise L1ネイティブの流動性プールへの流動性の提供など)にVoting Power(投票力)を与えることで、ネットワーク全体に正の好循環をもたらす。この一連の好循環を、「流動性フライホイール」(The Liquidity Flywheel)と呼称する。
2. オフチェーンBlobによるデータ可用性証明機構
Sunriseは、従来のDA Layerでは困難だった「ビッグブロックL2」の実現を可能にする。これは、Sunriseが他のDA Layerと異なり、オフチェーンBlobを採用しているため。
例えば、Celestiaなど従来のDA Layerでは、データ可用性を証明する際にオンチェーン上にBlobのデータを書き込む必要があり、これがデータ処理能力の限界となっている。
一方、SunriseはArweaveのようなオフチェーンの分散ストレージにデータを書き込む。
これにより、従来のL2のデータ処理能力を超えた、フルオンチェーンのAIやブロックチェーンゲーム(BCG)などの実現が可能になる。
3. IBCのネイティブサポート
IBC(Inter-Blockchain Communication)とは、独立したブロックチェーン間の通信と資産移転を可能にする、Cosmosエコシステムから生まれたInteroperability(相互運用性)規格。
SunriseはチェーンネイティブでIBCをサポートしているため、Cosmosエコシステムの資産を継承している。
さらに、Sunrise DA上にOPStackなどで構築したL2もIBCに対応可能。
Sunriseはインターオペラビリティソリューションを研究開発するDatachain社と技術提携している。Sunrise DA上のL2は、DatachainのLCP (Light Client Proxy)を通じてIBC規格に対応可能。