ブロックチェーンの総合ソリューションカンパニーであるモノバンドル株式会社は10月23日に「Day1からグローバルで検証可能なインキュベーション」をテーマとしたインキュベーションプログラム、『Nethergate』(https://nethergate.xyz/)(以下 本プログラム)の結果発表を行い、第1回Nethergateが終了したことを発表した。
Nethergateの概要
本プログラムは、ブロックチェーン技術を活用したプロダクトで世界を目指す起業家、開発者をサポートする事業検証プログラム。既に世界で活躍するブロックチェーン領域の起業家、開発者を講演者、審査員として招き、約一ヶ月半の期間でチームビルディングからプロダクト設計までを行う。これにより、DAY1からグローバルを目指す起業家、開発者に対し、プロトコルを検証できる機会を提供、支援するプログラムとなっている。
10月23日に開催されたDemo Dayでは、応募総数69名の中から入賞4チームが選ばれ、ETH San Franciscoの渡航費支援として総額110万円が贈られたという。
Nethergateを主催した背景
日本では規制の整備が進む反面、プロダクトの初期段階でグローバルでの需要を検証できる機会は多くなかった。ブロックチェーン技術を活用した事業を開始する中で、グローバルでの挑戦をしたい起業家や開発者に対し、入り口となるようなインキュベーションイベントの必要性を当事者として感じていたという。
Nethergateの開催により、日本の開発者や起業家が世界のトレンドやエコシステムに参入できる機会を増加させることで、日本語圏のブロックチェーンエコシステム全体の発展に貢献できればと考え、企画したとされる。本イベントの趣旨に賛同した審査員・スポンサーの方々の力添えにより、複数のチームにその機会を掴んでもらえたと考えている。
Nethergateで入賞したチームとプロダクト
最優秀賞チーム「KAMON」
プロダクト概要:インナースワップとして、LayerZeroに対応しているDEXが実装されているマルチチェーンウォレット
最優秀賞に対する審査員コメント(抜粋)
インナースワップ手数料の還元というアイディアは面白いと思った。metamaskから取れる手数料が意外と少ないと思ったので、今後の metamask のユーザーが増える傾向などもプレゼンに入れてよいのではと思った。
Metamaskもlayerzeroも同じことを考えているので、早くデプロイしてほしい。0.3%よりもっと手数料が高くても使う。
優秀賞チーム①「Umi」
プロダクト概要:プロトコルによる流動性制御を備えたあたらしいAMM
優秀賞①に対する審査員コメント(抜粋)
理論が実証されたらイノベーションが起きると思う。初期のDemandの確保に協力したい。
優秀賞チーム②「OpenInternet」
プロダクト概要(UIBounty):フルオンチェーンゲームのフロントエンド提供者に、ユーザー流入量に応じた予算分配を行うプロトコル
優秀賞②に対する審査員コメント(抜粋)
オンチェーンにする理由の説明が良いと思った。FEのニーズはこれからどんどん上がると思う。よりクリティカルで具体的なユースケースがあると、よりスケールするイメージができる。
DeNA特別賞チーム「KOTOVERSE」
プロダクト概要:フィクション作家が物語を作り、ファンがそれをNFTのコレクションとして購入・再販できるNFTマーケットプレイス
DeNA特別賞に対するDeNAからのコメント
所持しているNFTの活用で隠し要素をつくる、といった遊び心を魅力的に感じた。テキスト系のクリエイターにとってのWeb3の入口、包括的なツール化という観点でも深掘れそうなポイントがまだまだありそうで、そこがまた面白いと感じている。ファン・クリエイターにとってのより大きなDelightに向けた取組に今回の受賞経験を活かしてほしい。
DeNA特別賞に対する審査員コメント
中間審査で課題に挙げられていた、「Kindleで良いのではないか、なぜNFTなのか、なぜweb3か」という点において、カバーできていた。アマチュア作者を狙うなら、小説を書いて出すハードルを下げるために制作の工程を切り分けて、出品できる所までプロダクト内でカバーできると非常に使いやすくなる。