三菱UFJ信託銀行、日本酒トークンの発行検討を開始

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三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長: 長島 巌(いわお)、以下「三菱UFJ信託銀行」)、SBIトレーサビリティ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:輪島 智仁(ともひと)、以下「SBIトレーサビリティ」)は、三菱UFJ信託銀行株式会社が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」(略称「DCC」、会員企業数179社)において、個々の商品等との明確な紐づけが可能で、「本物」であることを客観的に明示可能な「トレーサブルNFT」の基盤創りと、日本酒業界の課題解決を目的とした「日本酒トークン」の発行を目指す「日本酒トークン・ワーキンググループ(WG)」を設置し、検討を開始することを発表した。
オープンゲートは本WGにおいてECプラットフォーム技術協力者として参画する。

(1)オープンゲートについて
オープンゲートは、日本酒の多様性や個性、伝統、歴史を正しくグローバルに発信していくことを目指し、これまで多くの蔵元様が抱える課題に対して二人三脚でサポートしてきた。中国をはじめとする海外への進出、Amazonや楽天、自社ECサイトをはじめとする国内EC領域でのサポートを主に事業展開してきたという。
オープンゲートの使命である「日本のクラフト文化を世界に広げること」を目的に、本WGにおいてECプラットフォーム技術協力者として参画し、単なる日本酒の販売だけではなく、蔵元様が本来保有する多種多様なコンテンツをセットで体験できる仕組みを構築することで、真の地方創生を目指すとしている。
蔵元自らが主人公となり、酒の現物だけでは伝えきれない歴史・多様性・希少性を直接エンドユーザーに届けるブロックチェーン技術を活用したECプラットフォームを開発することで、既存販路では獲得できないグローバル規模の市場と、新規顧客層にアプローチする仕組みを構築する(2023年夏ローンチ予定)
※開発中のプラットフォームの紹介映像はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=hhv81ArF6-Y

(2)「トレーサブルNFT」の概要

株式会社オープンゲート 三菱UFJ信託銀行主催のトレーサブルNFT*1の基盤創りと、世界初*2の日本酒トークン発行共同事業におけるワーキンググループ(WG)にECプラットフォーム技術提供者として参画のサブ画像1

「トレーサブルNFT」とは、NFTを含む各種デジタルアセットの発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」(三菱UFJ信託銀行が開発し、2023年9月以降に独立会社「Progmat(仮)」に移管予定)と、個々の商品等が「本物」であることを明示するためのトレーサビリティ基盤「SHIMENAWA(しめなわ)」(SBIトレーサビリティが提供)を組み合わせ、現実社会における個別商品等(リアルアセット)に関する権利(所有権又は債権等)と明確に紐づけられたNFTを指すとしている。
NFTとリアルアセットの紐づけが不明確な場合、ブロックチェーン上でNFTを取得したとしても、現実社会において紐づけられているはずの個別商品等に関する権利は必ずしも取得できていないといった、取引の安定性に係る懸念が生じ、NFTの価値が棄損する可能性がありる。
「トレーサブルNFT」により、NFTの移転を以て個別商品等に係る権利も確実に移転し、NFT保有者が「真の権利者」として、紐づけられた個別商品等に係る権利行使(物理的な引き渡しや、付随する各種利用権等の取得)を安定的に行うことを可能にすることを目指すとしている。

(3)日本酒業界の課題と、「古酒・熟成酒の新たな価値創造」をテーマとした「日本酒トークン」の取組み

日本酒は地域の歴史・伝承、酒米や水環境など様々なエッセンスが詰まった“地域そのもの”であり、地方創生の切り札となる大切な存在であると同時に、日本ならではのブランドをグローバルで発信できる希少な戦略的コンテンツでもあるという。
しかしながら日本酒業界では、グローバル市場を席巻するワインやウイスキーが「時間が醸成する厚み(「熟成」「ヴィンテージ」)」を価値基準の中核に据えているのに対し、大吟醸酒、純米大吟醸酒や特別純米酒などの「精米歩合」が低くなればなるほど技術やコストの観点から価値が高まるといった日本独自の指標を商品価値の中核に据えており、グローバルスタンダードな価値基準で対抗できる古酒や熟成酒への挑戦は、酒造会社の資金繰りや価値基準の不明確さといった観点から、難しいマーケット環境となっている。
そのためワインやウイスキーなどと同じ土俵(グローバル市場)で勝負していくためには、少なくとも「時間が醸成する厚み」に関する価値基準を明確にすると共に、古酒や熟成酒への挑戦を資金繰り上も容易にしたうえで、「日本酒ならではの新たな価値創造」も必要になってくるものと考えているとのこと。
「価値基準の不明確さ」に対しては、一般社団法人刻SAKE協会が、世界に誇れる日本酒を価値化していくため、時間軸を用い高付加価値の「刻SAKE定義/認定基準」を策定し、2023年1月27日より運用を開始した。
「資金繰り」や「新たな体験価値」に対しては、「トレーサブルNFT」の仕組みを日本酒に適用した「日本酒トークン」により、リアルアセットやトレーサビリティ情報を紐づけた日本酒(醸造・熟成段階)に関する権利(将来債権等)をNFTとして先行/小口販売することで、古酒や熟成酒へ挑戦する酒造会社の前広な資金調達を可能にすると共に、幅広い消費者を対象としたブランドエクスペリエンスの提供を可能とする。
当該NFT保有者は、当該権利を熟成期間中にNFTとして第三者へ譲渡し資金化することや、権利を行使して調合・出荷した個々の「日本酒」(瓶)を紐づけたNFTに転換し、直接利用(飲酒)又は第三者への譲渡が可能となる。これらの「日本酒トークン」の権利移転はブロックチェーン上で完結するため、グローバルな取引も容易になるとされている。
「日本酒トークン」の仕組みにより、国内の酒造会社にとり、古酒や熟成酒といった「時間が醸成する厚み」や、好みのブレンドといった「新たな体験価値」による日本酒の価値向上に挑戦し易くなり、且つ、グローバルマーケットで日本酒の価値がやり取りし易くなることで、地方創生や日本のブランド力向上に繋がるとのこと。

<日本酒の古酒・熟成酒の新たな価値創造イメージ>

株式会社オープンゲート 三菱UFJ信託銀行主催のトレーサブルNFT*1の基盤創りと、世界初*2の日本酒トークン発行共同事業におけるワーキンググループ(WG)にECプラットフォーム技術提供者として参画のサブ画像2

(4)「日本酒トークンWG」の概要

「トレーサブルNFT」及びユースケースとしての「日本酒トークン」の発行に向け、DCCでは、関係当局、日本を代表する酒造会社や酒類販売店のオブザーブの下、新しい挑戦に積極的な酒造会社や酒類販売店、ブロックチェーン技術提供会社、ECプラットフォーム技術提供会社、及び法律事務所等の計12組織とワーキンググループを設置し、共同検討を開始する。
本WGでは、2023年内を目途に、法的なスキーム及びシステムグランドデザインの公表、及び各種日本酒トークンの個別案件開始を目標にすると共に、「トレーサブルNFT」を日本酒以外にも様々な商品で新たな価値創造のインフラとして活用できる内容とすることを目指すとしている。

<日本酒トークンWG参加者>

株式会社オープンゲート 三菱UFJ信託銀行主催のトレーサブルNFT*1の基盤創りと、世界初*2の日本酒トークン発行共同事業におけるワーキンググループ(WG)にECプラットフォーム技術提供者として参画のサブ画像3

(5)「Progmat(プログマ)」について

Webサイトを公開しているので、以下URLを参照。
https://www.tr.mufg.jp/progmat/

株式会社オープンゲート 三菱UFJ信託銀行主催のトレーサブルNFT*1の基盤創りと、世界初*2の日本酒トークン発行共同事業におけるワーキンググループ(WG)にECプラットフォーム技術提供者として参画のサブ画像4

(6)「SHIMENAWA(しめなわ)」について

Webサイトを公開しているので、以下URLを参照。
https://service.sbi-shimenawa.com/

株式会社オープンゲート 三菱UFJ信託銀行主催のトレーサブルNFT*1の基盤創りと、世界初*2の日本酒トークン発行共同事業におけるワーキンググループ(WG)にECプラットフォーム技術提供者として参画のサブ画像5

◆「SHIMENAWA(しめなわ)」を支える技術
SHIMENAWAは世界で350社を超える金融機関、規制当局、中央銀行、システムベンダなどにより構成されたコンソーシアムで企業間取引を想定して設計・実装されたブロックチェーン基盤のCorda(コルダ)を採用し、RFID技術とのデジタルペアリングなどで共有される情報の真正性を担保するシステムで、信頼性の高いエンド・ツー・エンドのトレーサビリティを実現する。
また、ブロックチェーン基盤のCorda(コルダ)を活用したトレーサビリティ・アプリケーションを開発・運用し、ブロックチェーン基盤の活用が抱える運用コストにかかる課題を最小化する技術の開発も合わせて実現することに成功したという。なお、本技術は特許出願中。

*1 ブロックチェーン等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、一意で代替不可能なデータの総称
*2 2023 年1 月、三菱UFJ 信託銀行およびSBI トレーサビリティ調べ

その他、日本酒 × NFTの情報はこちら!

ソース

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