web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN(アンチェーン)」を主催する株式会社shiftbase(本社:東京都新宿区、代表取締役:中野裕介)は、web3領域でプロダクト開発に挑戦する個人及びチームに6ヶ月で3,000万円を給付するweb3開発助成金プログラム”進捗2Earn”(以下、本プログラム)の第一回目の申請受付を、2023年2月13日(月)より開始することを発表した。
第一回目の本プログラムの予算は、web3エンジニアを採用したい企業及び株式会社shiftbaseから協賛金として3,000万円を準備する。現時点で、株式会社Catalyst・Data・Partners、double jump.tokyo株式会社、JPYC株式会社、株式会社RiskTakerの計4社から協賛金が集まっており、2月末までスポンサーを継続して募集している。
日本円で受領した協賛金は、事業提携を発表した株式会社JPYCが発行する日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」へと交換され、助成金(Grant)の申請がおりたUNCHAINメンバーへと即時給付するという。
- web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」とは
UNCHAIN(https://unchain.tech/)とは、NFTの作成やdAppsの構築など、プロジェクト開発を通してweb3を学び、実践経験を積みながらアイデアを形にする力を身につけるエンジニアのためのコミュニティ。現在、Astar Network、Ethereumをはじめとした 7つのパブリックチェーンに関する学習コンテンツを22件提供している。ユーザーはアカウントを作成するだけでweb3関連の最新技術を学べる学習コンテンツに無料でアクセスすることができるとのこと。また、ユーザーは技術スキルの審査基準を満たすと、Discordコミュニティにアクセスでき、UNCHAINメンバーとして活動することができる。現在、1,200名以上のUNCHAINメンバーがコミュニティで技術を学び合っているという。
- Web3開発助成金プログラム”進捗2Earn”とは
本プログラムの目的は、個人の金銭的なリスクをゼロにして、世の中に”挑戦者”を増やすこと。助成金(Grant)の配布対象を、UNCHAIN独自の審査を通過したコミュニティメンバーをターゲットとすることで、採用市場で需要が高まるビジネス力のあるエンジニアを増やすことを狙いうとしている。参加者への助成金配布方法は独自に開発した「進捗2Earn」方式を採択し、6段階の審査基準を満たしたチームは最大200万円の助成金(Grant)を獲得することができる。また、助成金(Grant)は日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」を活用することで、審査基準を満たした本プログラム参加者へと即時給付するスキームを構築するという。
- 「進捗2Earn」の助成金(Grant)獲得方法
「進捗2Earn」とは、プロダクト、サービスの開発及び事業の進捗に応じて累計で獲得できる助成金(Grant)が変動する独自で考えた資金調達の仕組み。進捗の成果は6段階のフェーズに区分されており独自の審査基準を満たすことで、各区分ごとに定められた助成金金額を給付するというもの。加えて「進捗2Earn」は、株式を放出せずに創業資金を集められる調達スキームとも解釈ができるため、既存の投資ラウンドの概念にプレエンジェルラウンドというコンセプトを新設するという。
- プレエンジェルラウンドとは
プレエンジェルラウンドとは、エンジェルラウンドの1つ前段階の投資ラウンドを指す。エンジェルラウンドの調達金額の相場は500〜1,500万円(株式放出目安:1〜10%程度)といわれている一方、今回新たに新設したプレエンジェルラウンドは、1〜200万円を6段階に区分された審査基準を満たした個人及びチームに助成金(Grant)という名目で創業資金を給付するとしている。
- 「進捗2Earn」の審査基準について
「進捗2Earn」の審査基準は、6段階のフェーズに細分化されている。最も獲得金額の小さいフェーズは、Pre-6(Pre Pre Pre Pre Pre Pre)と呼んでいるという。Pre-6のフェーズでは、アイデアの提案書を作成し、提出するのみで1万円相当の助成金を獲得できる。各フェーズの審査基準及び獲得できる助成金金額は下記図を参照。
- 進捗の審査スケジュール
2月13日(月)に助成金受付をスタートした後、初回の審査は3月中にスタート。その後、Pre-6、Pre-5の2つのフェーズは、週に1回のペースで進捗の審査を創業メンバーが対応する。また、Pre-4より先のフェーズの審査は、月に1回のペースで行う。審査結果が発表された後、1週間以内にバックオフィスより各参加者のウォレットへ助成金を給付する。
- 本プログラム開催の狙い
2022年はPolygon Tokyo Hacker House、東京web3ハッカソンと、2つのオフィシャルパートナーを務めた。それぞれのハッカソン企画運営のサポートを通して、ハッカソンという、エンジニアが短期集中でものづくりに挑戦する仕組みの重要性を強く感じたという。一方、プロダクト開発の先にあるビジネス化という観点においては、まだまだ改善の余地があると感じたとのこと。そこで、インキュベーションという事業化サポートの要素をハッカソンの仕組みに複合することで、「ユーザー体験の価値向上に繋げられるのではないか」と、考えたとしている。
- ユーザー(ハッカソン参加者)の体験価値の向上のための施策
(1) モチベーション管理のサポート
プロダクト開発のマイルストーンをクリアするごとに賞金を獲得できる仕組み「進捗2Earn」を導入することで、参加者はプロダクトの開発進捗を出すという、ものづくりにおける基本的な行いにより資金調達ができるというインセンティブ設計が、参加者のモチベーションを向上させると考えている。 また「進捗2Earn」では、審査期限が定期的に設けられているため、期限以内にプロダクトをより早く開発しなければならず、納期意識をもって短期集中する動機付けにも寄与することを狙うとしている。
(2) 資金調達サポート
株式を放出することなく創業資金として最大200万円を調達できる仕組みを導入することで、エンジェルラウンドの資金調達をスキップできるチームを増やし、プロダクトの仮説検証に集中してもらう環境をつくることを狙う。
(3) マーケティング施策サポート
本プログラムの開催期間中(6ヶ月)、毎月開催されるDemo Dayとよばれるピッチイベントに参加するチームに対して、UNCHAINの運営チーム及びshiftbaseの創業メンバーが広報活動を支援する。エンジニアチームが比較的不慣れといわれている創業期のマーケティング活動をサポートすることでプロダクトの成長を加速させることを狙うとしている。
(4) 即時入金サポート
ハッカソンの入賞賞金(Grant)の支払いサイクルは、1〜2ヶ月ほど入金までに時間がかかるといわれている。本プログラムは進捗の審査が完了した後、1週間以内に助成金(Grant)を入金。日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」で給付することで、既存のハッカソン入金サイクルと比較し、相対的ではあるが即時入金という体験を実現するという。1ヶ月以上のタイムラグは、創業して間もないスタートアップにとって、経営判断に大きな影響因子となるため、即時入金サポートによってキャッシュフローの安定化を狙うとしている。
- 株式会社shiftbase 取締役 志村侑紀氏のコメント
”進捗2Earn”は、開発者のアイデアを形にするための第一歩を後押しする仕組みです。どんなアイデアでも構いません、ドキュメントにしてみてください。助成金(Grant)がもらえます。アイデアをもとにMVPを作ってみてください。そうすると、ふたたび助成金(Grant)がもらえます!みなさんが生みだしたプロダクトが、もう一度Cryptoの世界を盛り上げる原動力になると信じています。助成金の対象はお金が稼げるプロダクトだけではありません。素晴らしいOSSがブロックチェーンの未来を作ります。そんなプロダクトがUNCHAINから生まれることを楽しみにしています。今年も多くのハッカソンが日本で開催されると思います。仲間を見つけたい人、自分のアイデアの壁打ちをしたい人、ぜひUNCHAINで学んでみてください。2023年も当社は、アイデアを持つみなさまが挑戦し続けられる機会をUNCHAINを通して提供してまいります。
(取締役CCO 志村侑紀氏プロフィール)
1991年生まれ。16歳で渡米。University of California Los Angels(UCLA)卒業後、Harvard UniversityにてMina Cikara教授のもと社会心理学と神経科学の学際的研究に2年間従事。孫正義育英財団の一期生として渡英し、University College London(UCL)に所属。2020年10月よりResearch Directorとして株式会社Empathに参画。2022年2月より、web3領域における事業開発を主軸とした株式会社shiftbaseを創業。