スマートニュースの子会社であるスマニューラボ(東京都渋谷区)は11月24日、地域などコミュニティに根ざした事業者が、自分たちのコミュニティに固有の物語や文化などの「コミュニティ資源」をNFTゲーム(※1)化し、コンテンツ事業を行えるサービス「Tales & Tokens」(テイルズ・アンド・トークンズ)の提供を開始することを発表した。
(※1)本サービス「Tales & Tokens」では、ブロックチェーン技術を利用したゲームのうち、FT(Fungible Token = 代替可能トークン)を用いず、NFT(Non-Fungible Token = 非代替性トークン)のみを使うものを「NFTゲーム」と呼び、本サービスを通じて創作できるものにするという。
- 事業者が魅力ある「コミュニティ資源」をNFTゲーム化し提供
地域に固有の地名、民話や伝説などの物語、生活や産業に由来する文化など、人々が共有している無形の資源を「コミュニティ資源」と名付けたそう。
「Tales & Tokens」では、事業者が「コミュニティ資源」を可視化し、人々に好意や感動を与えるデジタルコンテンツとして、ユーザーへ提供することが可能だという。
ユーザーは、ふるさと納税やNFTマーケットプレイス「OpenSea」を通じて、ゲームのキャラクターやアイテムなどのNFTコレクションを取得することができるとしている。
専用のWebアプリを操作し、NFTコレクションのカスタマイズや他のユーザーとの交換なども行える。
開発したのは、アイテムNFTの追加によりキャラクターNFTが変化するDyanmic NFT。アイテムNFTを追加するためには、例えば、実在する店舗や観光地にチェックインする(現地に訪れて所定のQRコードを読み取る)などのイベントを行う必要がある。
これにより、現実の文化や経済と結びついたゲーム性のあるNFTを提供する。
今回、「Tales & Tokens」のシステム(スマートコントラクトと専用のWebアプリ)を新たに開発、提供することで、ユーザーと事業者、コンテンツクリエイターの新たなコミュニティづくりを支援するとしている。
- 岩手県遠野市で初のプロジェクト『Game of the Lotus 遠野幻蓮譚』が進行中
岩手県遠野市で10月27日から、「Tales & Tokens」の初のプロジェクトである『Game of the Lotus 遠野幻蓮譚(略称: GOTL)』(https://gotl.io/)のNFTゲームを提供している。柳田國男の『遠野物語』などに採話されている神話をもとに企画・開発したプロジェクトで、三人の娘をモデルにした三種類のキャラクターNFTが、ふるさと納税の返礼品として提供されているとしている。(※2)
(※2)
岩手県遠野市とふるさとチョイスが連携、神話を題材に地域と連動する参加型NFTコレクション「Game of the Lotus 遠野幻蓮譚」提供開始(トラストバンク社 プレスリリース 10月27日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000927.000026811.html
今回のプロジェクトに携わった、遠野市役所・商工労働課の浅沼勇希氏は「遠野は、『遠野物語』でも読み継がれている民話の里として知られるだけでなく、神楽やしし踊りといった郷土芸能が盛んな文化、早池峰山の雄大な景観など、多くのコミュニティ資源を有しています。それらの魅力が「Game of the Lotus」というNFTゲームで多くの方に届けられることに大きな可能性を感じています。遠野のコミュニティと、新たなファン・支援者との間に、新しい関係が築けるものとして大きな期待を寄せています」とコメントしている。
- 第二弾プロジェクトが決定、燕三条の「ものづくり」をテーマにNFTゲームを開発
岩手県遠野市に続き、他の地域でも「Tales & Tokens」の展開を準備中。
この度、第二弾のプロジェクトとして、パートナーである株式会社燕三条と共に、新潟県の燕三条エリアのコミュニティ資源である「ものづくり」の産業文化をテーマに、NFTゲームを開発することが決定したとしている。
NFTはふるさと納税の返礼品としての提供も予定しており、新潟県三条市と燕市の両市が提供する。