ジャングルX株式会社(Founder & CEO:直江文忠氏、以下 「ジャングル」)は、SBIホールディングス株式会社(代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝氏、以下「SBI社」)との資本提携およびシンガポールでの合弁事業会社設立に関して基本合意したことを発表した。
■ スポーツ業界が抱える問題点
現在のスポーツ業界は、中央集権的な構造となっていることで一部の権力者に富や権力が不適切な形で集中している。結果として、2021年に行われた東京五輪・パラリンピックに関する汚職で大手広告代理店の幹部が逮捕されたことにとどまらず、2022年11月から行われるFIFAカタールW杯においてはスタジアム建設に携わった労働者6,500人が亡くなっており、フランスの複数メディアが放送をボイコットする事態にまで発展している。※1
加えて、今回のW杯は主催者側の一方的な都合で主に欧州の各国リーグ戦の合間に行われる関係で、W杯のメンバー候補または実際に招集されたが直前のリーグ戦の試合で大怪我を負ったためW杯に出場不可またはその可能性があるアスリートが50名以上存在している。※2
そもそも、スポーツ業界は1984年のロス五輪の成功に端を発したスタジアム・スポンサー・放映権で収益を上げる「ロス五輪モデル」を30年以上踏襲し続けているが、このモデルはスタジアムでの「モノ」売り視点を前提とした20世紀型のビジネスであることに加え、主役であるアスリートに対しては一時的な感動を求めるだけで金銭的な対価は限定されることが多く、例えばリオ五輪の日本国内スポンサー収入の0.2%に当たる1.4億円のみがメダリストへの報奨金として配分されるに過ぎない。※3 また、過去の五輪メダリストですら遠征費を捻出するためにアルバイトで5,000円前後の日銭を稼ぐケースも報道されている。※4
その他の事例としては、男子プロテニスにおいては上位5%の選手で賞金+スポンサー契約総額の93%を占めるという状況であり、成績下位のアスリートの生活は非常に厳しくなっている。※5
そのため、世界ランク370位の選手の年間獲得賞金が約30万円というケースも存在している。※6
さらに、アスリートは引退後の生活も保障されておらず、NPB(日本プロ野球)選手の平均引退年齢が28歳という現状の中、選手の50%がセカンドキャリアに不安を抱えている。※7
アスリートの問題だけでなく、本モデルにおいて本来最重要視されるべきスタジアムの収益化に関しても、線・面思考ではなく点思考で運営が行われており、例えばリオ五輪(収支マイナス1兆円)では五輪公園内で利用したスタジアム・アリーナの50%が現在使われていない状況にある。※8
また、杜撰なスタジアムの維持管理も問題となっており、例えば東京の新国立競技場の建て替えに伴い移植された樹木130本のうち127本で、葉の変色などの生育不良が報告されている。※9
(※1)RMC Sports(2022年10月5日)
(※2)CBS Sports(2022年11月9日)
(※3)ATP, Forbesの記事から弊社集計
(※4)日刊スポーツ(2022年4月30日)
(※5)朝日新聞、スポニチの記事から弊社集計
(※6)AFP(2022年4月14日)
(※7)Full-Count(2022年4月20日)
(※8)朝日新聞(2022年7月23日)、Dr.コバヤシのスポーツ・マネジメント進化論#9(2020年7月10日)
(※9)東京新聞(2022年3月30日)
■ スポーツ × web3に関する時流と問題点
web3時代を迎えた現在、スポーツ業界の中央集権的な実態に対してFan Controlled FootballがNFTを投票券として用いることで試合展開にファンが影響を与えることができる体験を提供していることに加え、ロス五輪モデルに代わる新たな収益モデルを作るためにプロリーグによるアスリートのNFT販売(例:NBA Top Shot)や各クラブと提携してのファントークン販売(例:Socios)が行われ、さらにはリアル世界の行動・結果がゲーム内で反映されるNFTカードゲーム(例:Sorare)など、スポーツ × web3の文脈で様々なプロジェクトが登場してきている。
その一方、これらのプロジェクトは下記のようにそもそもweb3の純粋思想とはかけ離れ、かつスポーツ界の問題を根本的に解消できない実態が数多く存在すると考えているとのこと。
- 投資・投機が主目的となり、一部の人にしか資金循環が行われていない
- ポンジ・スキーム疑惑のプロジェクトも散見
- 主に元プロ選手の受け皿として機能することでアマチュア選手の介入の余地が少なく、ファンの参加の幅も限定的(Fan Controlled Footballの事例)
- IPを”追加しただけ”のNFT販売の限界(例:Jリーグカードの9割が売れ残り、パ・リーグがメルカリと連携したサーヴィスも不調 ※10)
- 主に日本国内市場の展開を前提としたプロジェクト
- ファントークンが提供する体験は従来のファン向けEventやプレゼント企画と大差なし
(※10)日本経済新聞(2022年10月24日)
■ 目指す世界
これらの問題点を踏まえ、ジャングルはオリジナルのスポーツリーグに関わる全員(ファン・クリエイター・アスリート・行政組織)が報酬を得ることができるweb3プロジェクトを、自社のビジネスモデル特許を用いながら本業であるスポーツベッティングのノウハウも活かしてリアル/デジタル空間両面において全世界に向けて展開し、スポーツ業界の抱える問題を根本的に解消していこうと考えているとのこと。参加可能なアスリートにプロ/アマの垣根はない(スポーツの民主化)。なお、スポーツリーグ内での競技対象は人間以外にも生物、機械なども含まれ、報酬はトークン・NFTまたは現金で支払われる。
そして、本プロジェクトを時代の最先端を走るインターネット総合金融グループのSBI社と共に、同社が目指すネオカルチャー・ネオスポーツの創造および地方創生に向け価値共創していくとしている。
なお、本プロジェクトは将来のDAO化(分散型自律組織)を想定した独自の暗号資産の発行を前提として、完全オリジナルのコンテンツプラットフォームの開発・運営を行っていく予定とのこと。
2022年11月現在は開発フェーズであり、2023年初頭から実装フェーズに移行。
■ web3プロジェクトについて
1. Project N
実在の人物や生物に紐づけて生成されたキャラクターデータ(NFT)を保有した上で行われる育成型対戦ゲームを提供。NFT所有者の様々な行動等が変数となりカオス的にNFTが育成されていく。ユーザーはレゴ®のようにみんなでNFTを育成する楽しみを体験することができる。
2. Project O
NFTを購入しスポーツリーグの関係者となったファンを中心としたリーグ・チーム運営を可能とし、かつファンが監督・コーチ権を得て次のプレイ等の意思決定をみんなで行うことができる体験を提供。これまで西洋史観で作られてきたスポーツを東洋史観にシフトし、よりファンに主体性を持たせていくことになる。
トークンでサポーターが投票・特典企画に参加し応援ができる!さらに試合戦術まで指示できる特許を「ジャングル」が取得・権利化
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000060786.html
■ コンテンツの想定例
ジャングルのDAO第一弾 4wdDAO
つづくDAOとして16競技を予定